専門家監修:乾燥する冬の保湿方法、スキンケアのおすすめアイテムは?

専門家監修:乾燥する冬の保湿方法、スキンケアのおすすめアイテムは?

乾燥が激しくなってきた冬のスキンケア。夏と同じ製品で大丈夫なのか、付け加えるべき肌のお守りアイテムはある? そんな疑問に、薬剤師の齋藤さんにお答えいただきました。乾燥小ジワや粉ふきに悩まない、しっとり肌を目指すためのスキンケア指南です。

① 化粧水・乳液の「さっぱり」と「しっとり」の違い

この季節、化粧水や乳液などを「さっぱり」から「しっとり」に変えているという声をよく耳にします。
実はこれは使用感(テクスチャー)の違いだけで、含まれている成分はほぼ同じなのです。使用感の違いを出すために成分を少し変えているだけのものがほとんどです。

そのため、「しっとり」を選んだからと言ってさっぱりを使用していた時よりも保湿がされているということはありません。

ただし、皮脂を抑えるアイテムは秋冬にはやはり不向きです。他にもつっぱりを感じるアイテムがあれば頻度を抑えたり、変えてみるのも良いでしょう。

冬のスキンケアで大切なのは、含有成分や使用するタイミングです。どんな成分が大切かなど、詳しく見ていきましょう。

② 保湿成分は「セラミド」がおすすめ

セラミドは肌から水分が蒸発するのを防ぐ働きを持っており、乾燥の激しい冬にはマストの成分。

少なくなると、肌の水分が失われやすく乾燥肌につながります。

セラミドは加齢によって減少し、50代になると20代の頃の約半分になるというデータもあります。

サプリメントなどで内側から摂取することも大切ですが、基礎化粧品でもセラミドがしっかり含まれているものを選ぶのがおすすめ。
セラミド成分配合のスキンケアの選び方には2つのポイントがあります。

4タイプから自分に合うセラミドを選ぶ

セラミドには、哺乳類由来の動物性セラミドと米などの植物由来の植物性セラミド、酵母などから作られたヒト型セラミド、石油から作られた合成セラミドがあります。保湿力の高いヒト型セラミド、動物性セラミドがおすすめ。ただし、肌に合う合わないがあるため、まず試供品や少量タイプで試してから使うのがおすすめです。

セラミドの配合量の見方

もうひとつのチェック・ポイントは配合量。化粧品は全成分表示、さらに成分量が多い順から表示される決まりがあるので、セラミドの表示順が前の方にある、配合量も多いものを選ぶと良いでしょう。

そして成分がよくとも、使用量が少ないなど、使い方によっては充分な効果が期待できません。適量を使ってケアするということもお忘れなく。

セラミド以外にも、ヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿に効果的な成分はありますので、気になる成分があれば同様にチェックしてみてください。

③潤いを閉じ込める油分としてクリームをプラス

乾燥がひどい冬には、潤いを補うことに加え、「油分」が欠かせません。テカリの原因から悪とされがちな油分ですが、肌表面で水分が蒸発するのを防ぐ「蓋」の役割をするのは皮脂膜、つまり油分なのです。せっかく化粧水で潤いを与えても、蓋をしないままでは乾燥してしまうので、お手入れの最後に油分が多いクリームを使用するのがベストでしょう。

クリームの選び方

皮脂分泌は加齢によって大きく減少するので、年を重ねるにつれ皮脂膜の代わりとなるクリーム系のアイテムは必須となってきます。

中でも、皮膚のバリア機能をサポートする「セラミド」「スクワラン」「ワセリン」が配合されているクリームがオススメ。

特に乾燥が気になる場合は、クリームよりも油分が多いバームタイプも試してみてください。

皮脂分泌が少ない箇所にはポイントケアを

顔の中でも皮脂分泌が少ないのが目元と口元。その二箇所はよく動かすこともあって、乾燥小ジワが目立ちやすいところでもあるので、ポイントケア用のアイテムも多く出ています。特に目元はパソコンや携帯電話で疲れて血行不良になっていることも多いので、温感マッサージなどを取り入れて、ケアを心がけたいものです。マッサージの際にも、擦って肌を傷つけないように気をつけて。

④ 保湿のタイミング

日中の保湿

冬の空気中の湿度は50パーセント台。
さらに空気が乾燥する上に暖房が入った室内は、驚くほどの勢いで水分を蒸発させています。
まずは加湿器を設置しましょう。朝のスキンケアにも保湿クリームを塗るなどのひと手間は欠かせません。
また、乾燥したなと思ってからでは遅いので、お昼は携帯用バームなどを常用しておくと安心です。

夜間の保湿

お風呂上がりは顔も身体も水分をしっかり拭き取って、3〜10分以内に保湿をするのが大切。
水分が残っているとそこから水分が蒸発して、乾燥の原因になるので要注意です。

髪を乾かしたりと、肌のお手入れまで時間がかかるという場合は、その間シートマスクに保湿を任せてみるのも良いかもしれません。

また、顔や体を洗う際は油分を落としすぎてしまう高温を避け、ぬるめで優しくを心がけて。

⑤ 身体の内側から保湿

前述したセラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどの潤い成分は、スキンケアアイテムだけでなく、サプリメントなどにも配合されています。

皮膚や粘膜を健やかに保ち、ターンオーバーを促すにはビタミンAやビタミンB群、コラーゲンの生成にはビタミンCも欠かせません。
内と外からのケアで、乾燥の季節をハリつや肌で乗り切りましょう。

解説

薬剤師 齊藤 桂丞

薬剤師。研修認定薬剤師。コスメコンシェルジュ。
慶應義塾大学薬学部卒業 薬局薬剤師の勤務経験を活かし、現在は商品開発とマーケティングを担当。サプリメントや医薬品の豆知識を周囲に伝えるのが趣味。